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さて、本日安保法制の衆議院での公聴会が行われました。産経新聞WEBでは、早速陳述した人がどんな意見を述べたのかが掲載されています。

さしあたり、賛成は岡本行夫氏、反対は山口二郎氏のコメントが参考になるといったところでしょうか。あるいは憲法学者の木村氏の意見もあがっていました。
結論からすれば、学者でも意見が180度違うということが明確になったと思います。もっとも、憲法・政治学者などでは反対が圧倒的多数のようです。
主に、立場が分かれている点が数点あるように思われます。
まず、政策論あるいはそれも絡んだ立法論が重要です。かような抑止力の向上を狙った法案が果たして効果を発揮しうるものなのかあるいは、「抑止力」自体がどこまで有効なのかの点について激しい対立がうまれているようです。






当然、岡本氏は他の国と同様、協調して行動をとることが安全保障に繋がると考えていますし、それによる「抑止力論」も肯定する立場のようです。速報記事とは直接関連性はありませんが、池田信夫氏も「ゲーム理論」から結局、抑止力は有効という立場を示しています。

他方、山口二郎氏は結局「抑止力」をうたって攻撃的な政策を採り続けるとかえってリスクを伴うのが現実だと主張します。他の論者はアメリカの過去の中東軍事政策は、結局IS問題に繋がり「さらなるリスク」を産んでいると指摘します。

つまり、非武装でもリスクがあるのと同様、武装あるいはそれの積極的活用に出るのもリスクだというのです。
次に、これは「民主主義」をどう理解するかにもかかわると思いますが、政権に「自衛権の行使」という判断を本当に信用して任せることは出来るのかという問題です。

あるいは、安保政策自体を一旦国民が判断する必要があるのかという問題にもなるでしょう。


確かに、軍隊を動かすには(今は自衛隊ですが)、政府が判断することになるのでしょう。もっとも、政府が「責任をとるから」といっても、最終的なリスクは国民がかぶることになるでしょう。そこで結局に「国民がどこまで政権を信用するのか」という点を問題にせざるを得ないでしょう。
当然、与党もこの法案を少なくとも建前では「戦争をしないために」といっているわけですから、自衛戦争も防ぐことが念頭にあるはずです。しかし、仮に戦争になった場合に、その政府の判断が「正しい」ことをどうやって担保するのでしょうか?

つまり、政権が常に「正しい判断能力」を持ち合わせていないとそもそも自衛権発動を正しく出来ないわけですから、結局政権によっては、政権が先制攻撃をして「国民がリスクを被るのか」という話になりかねないでしょう。

山口二郎氏はこの点について似通った趣旨の指摘をしていましたが、賛成派は明確な応答をしているようには思えませんでした。

さらに、まだ国民的な合意が得られているとは言い難いように思います。このほど、特定の新聞社が信用できないなど噂が蔓延していますが、いずれの世論調査をとっても、「今の法案に理解が得られている」とは言えない状況です。
仮に、政府の法案が必要であったとしても、国民の賛同による後押しがなければ結局政府の独り相撲になるのではないでしょうか?それでは、政府の政策が正しかったとしてもきちんど実行され得ないでしょう。
やはり、個人的には憲法改正の手続きを国民に正面から問うべきだと思いました。仮に、正面から問題にしたとしても、政策が余程説得的で正しいのであれば、国会での議決に3ヶ月そして国民投票に2ヶ月もあれば足りると思います。基本的に正しいのであれば、時間がかかるわけないのでは?
ただ、その時には、70年前以上に戦地に赴いた人それぞれの「想い」とは別に、「自衛権をうたいながら結局国民の生命も財産も守れなかった」という事実からどんな教訓を引き出すべきなのかしっかり議論して欲しいと想います。個人的には仕方がないでは済まされない問題と思っています。