Pocket

2015年大・中小企業の上半期の倒産件数が前年同期より4割減とし、企業の倒産件数が減少しつつある。金融支援や公共事業などの景気対策の効果により全体の倒産が抑制され、これに伴ない低水準な推移が続いている。
このように日本の企業の倒産件数は減少しつつあるが、その倒産件数はまだ多い。今回私は中小企業が倒産する原因でもある金融の資金調達についての問題と最後に自分の考えを述べたいと思う。
ではこの中小企業金融の資金調達問題について簡単にまとめていきたい。





まずはじめに資金調達問題の1つでもある「情報の非対称性」である。「情報の非対称性」とは、取引相手の重要な情報を十分に把握していないことであり、金融取引においては貸し手が借り手の情報を借り手と同じレベルに把握することが難しいことである。

この情報の非対称性によって、借り手が本気でお金を返済する気があるのか、投資したお金を会社のために使ってくれるのかという不安によって、資金調達が困難となってしまいまう。
さらにこの情報の非対称性が存在した場合、逆選択、モラルハザードといった問題も生じてしまう。
逆選択は劣悪な資金の借り手が市場に現れたとしても、貸し手は借り手が優良企業なのか高リスクの企業なのか、ポジションを正確に識別できないため、貸し手としては貸倒れリスクを見込むため、優良借り手に対しても高金利を適用せぎるをえなくなることから、やがては良質な借り手が市場から姿を消すという事態が発生することになるというものである。

つまり相手の情報が分からない中で、資金を貸すべきでない相手に資金を貸してしまい、それによって市場には高リスクな企業があふれ、資金問題がさらに悪化してしまう事態に陥ってしまうというものである。

さらにモラルハザードは、貸し手が望まないような危険度の高い投資を借り手が行ってしまうことである。


例えばある予備校に資金を貸した時に、貸し手としてはその予備校の設備費に使ったり、有名な講師を呼んで授業したり、本業のほうで資金を使ってほしいと思うが、この資金を借り手が授業で疲れた学生をリフレッシュするために新しくジムを作るなどと本業とは別に、貸し手が望んでいない投資行為をするというのがモラルハザードである。

このように情報の非対称性が生じている中には逆選択やモラルハザードと言った問題が生じていて、資金調達が困難となってしまっている。

さらに資金調達を困難としているのがモニタリングというものがある。これは逆選択、モラルハザードの問題を防ぐために、資金の貸し手と借り手の情報格差を解消するために貸し手が借り手を監視することである。

一見情報の非対称性、逆選択、モラルハザードの問題を解消してくれると思われがちだが、モニタリングにはコストが必要であることが多いため、ある投資家がモニタリングを行えば、ほかの投資家はそれにただ乗りしようとして、結局はだれもモニタリングを行わなくなってしまうという問題が生じる。一方で、複数の投資家が同じ経営者へ個別にモニタリングをすれば、モニタリング費用が重複するという問題がある。

つまり、これら問題を解消してくれるモニタリングも費用がかかってしまうといった理由によってあまり機能しておらず、資金調達問題が悪化するばかりである。

このように金融の資金調達問題の中には、情報の非対称性、逆選択、モラルハザード、モニタリングコストが原因によって金融機関の資金調達がうまく機能していないということが分かった。

これにより、私たちが問題意識として挙げた日本の中小企業数や開業率の減少は情報の非対称性やモニタリングコストなどの資金調達問題によって中小企業の効率的生産や成長を妨げているということが分かった。

中小企業と大企業の数の割合は中小企業が99.7%、大企業が0.03%と、日本のほとんどの企業が中小企業である。

このため大企業に対して中小企業の倒産や起業者の減少が多くなることはしょうがないことである。

しかし、このような問題に対して各金融機関は中小企業をただ見捨てるのではなく、優良な企業に対して資金調達を容易にしたり、海外進出を目指す起業者に対しての助成金が必要であると考える。近年の景気の回復により日本企業の経済は回復しつつあるが、将来に向けた中小企業への金融問題に関しても考えていかなければならない。