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ブラック企業の現状

ブラック企業とは、労働者を酷使、選別し、使い捨てにする企業を総称する用語である。

その形態はさまざまであり、たとえば、従業員に対して労働基準法をはじめとする労働関係法に違反した賃金状況を貸したり、長時間のサービス産業をさせたり、さらにはパワーハラスメントという心理的、暴力的強制を貸したりするケースなどがある。





このようなブラック企業は、終業後3年以内の離職率が極めて高く、年齢構成では30代から40代が極端に少ないなどの特徴を有している。

金融危機の影響で就職難が深刻化した 2000年代後半から、労働者、とりわけ若年労働者をむしばむ新たな社会問題として急速に出現してきた。

ではこのような状況を踏まえ、日本の未来を担う若者が安心して就労できるようにするために行政はいかなる対策を講ずるべきか。論じていきたいと思う。

ブラック企業に対する法の整備

第一に、企業に対する対策として、労働法ないし労働関係法規を順守させる取り組みを行う必要がある。

具体的には、企業に対する法令順守の呼び掛けと定期的な強制調査の活用があげられる。この点、厚生労働省は2013年 12月17日に若者の使い捨てなどが疑われる、ブラック企業に関する調査報告書を公表し、その結果、対象事業所のうち 82パーセントに該当する4189事業所に何らかの労働基準法を関係法令の違反が見つかった。

これにより、日本は欧米とほぼ同レベルの労働法制が整備されているにもかかわらず、実際のところ労働基準関係法令はほとんど順守されておらず、法制度と現実の運用との間に障害が生じていることが明らかとなった。

今後は、このような調査を各自治体でも行い、法令違反を犯している事業所に対しては是正勧告を出し、改善が見られない場合には、企業名を公表するなど厳正な態度で挑むべきである。


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ブラック企業と就職活動

第二に、これから就職をする学生に向けた取り組みを行う必要がある。

ブラック企業が、学生の法制度のうちや社会状況に抵抗しない態度に漬けこんでくる傾向が強い。例えば、わかりにくい形で初任給に長時間の残業代をしのびこませたり、入社直前になって「最初は契約社員で」と話しをすりかえたりしてくるケースなどがあげられる。

若者がこのような企業で認められようと努力すればするほど新進どこに追い詰められてしまう。そこで、ブラック企業に就職しないことこそが予防的観点からは特に重要になってくる。

そのため、行政は各大学、専門家と連携し、学生に対して就職活動マニュアルを作成し、労働法制や労務管理に関する知識を提供していくことが求められる。また、ブラック企業の見分け方をレクチャーすることも重要である。

 

ブラック企業消滅への取り組み

第3に、啓発活動として、ブラック企業は許さないという社会的風潮を作り出していく取り組みが必要である。そのためブラック企業対策も考えねばならない。

これにはマスコミや各種ソーシャルを利用した呼び掛けやイメージ戦略、有識者によるシンポジウムの開催、NPOなどとの共同が不可欠である。また、新たなる内部告発ルールの構築やその周辺決定も行うべきである。

そして、内部告発が事実上の解雇その他不利益を受けている現状を一刻も早く解決する必要がある。確かに、現行法である公益通報者保護法では、企業側の公益通報による解雇その他の不利益扱いが禁止されている。

しかし企業側に対して懲役刑などの刑事罰や行政指導、行政処分をされるような仕組みにはなってはいけない。

このように民事的効力だけでは抑止的効果として極めて不十分である。さらに、各自治体が、相談窓口などを設けて、直接内部告発を受け、その情報を国と共有して強制調査につなげていくシステムを構築するということが求められている。