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各地で起きているコンクリート落下事故

7月23日、神戸市兵庫区の市営住宅8階のベランダの天井から、コンクリートが剥がれ落ち、一部が25メートル下の駐輪場の屋根に落下した。

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剥がれたコンクリート自体は長さ1メートル幅5センチで、大半は下のベランダに落ちたが、その一部が下の駐輪場に落下した。大きな音がして、住民が110番通報し、事の次第が分かった。





駐輪場の屋根に落ちたコンクリートは推定約6キロ。夜間だったこともあり、けが人はなかった。
同市営住宅は築44年、平成17年に大規模改修工事が行われている。3年ごとに定期点検を行っていたが、26年の点検で外壁に劣化が認められ、今年8月ごろ外壁工事と耐震工事を予定していた。

何よりもまず、けが人がいなくてよかった、と思われる事件だ。6キロのコンクリート片が25メートル上から落下してきて、下の人間にぶつかったら…とはあまり考えたくはない。

 

福岡トンネルコンクリート落下事故

しかしコンクリートの落下事故というものはちょくちょく起きている事故なのだ。大きなものでは1999年6月、山陽新幹線福岡トンネル内で、トンネル天井部のコンクリートが一部落下した事故がある。

 

事故概要
1999年6月27日9時24分ごろ、新大阪発博多行きの「ひかり351号」(0系・Sk17・12両編成)が小倉 – 博多間にある福岡トンネルを走行中、上下線が停電し、福岡トンネル出口付近に50分停車した(上り「のぞみ12号」もこの停電の影響で50分停車した)。

5255事故車両と同系列の車両
事故現場の架線が破損したほか、「ひかり351号」の9号車の屋根が幅50cm、長さ10mに渡ってめくれ、10号車、12号車のパンタグラフが破損。11 – 12号車は数箇所の陥没が確認された。

調査の結果、トンネル天井部にあったコンクリートの一部分(2m×50cm×50cm)が落下し、架線を切断するとともに「ひかり351号」を直撃して停電したものと判明した。
原因
トンネル内のコンクリートが落下した原因は、福岡トンネルの施工不良によってできたコールドジョイントである。

コールドジョイントとは、いったん凝固したコンクリートに、さらにコンクリートを流し込むことで起こる現象で、凝固したコンクリートと流し込んだコンクリートの間にできる接合不良箇所を指す。

その隙間に劣化が早く、ひび割れが発生していき、さらに新幹線の高速走行の衝撃でコンクリート塊の劣化が進行、最終的に落下したといえる。
また、山陽新幹線建設時に塩分を含んだ海砂が使用されたことも遠因とされている。海砂は川砂と比べて塩分を含むため、鉄筋の腐食やアルカリ骨材反応を起こし、劣化を早める。

海砂は除塩することになっているが、十分に除塩されていなかった。1996年以降、山陽新幹線の高架橋からコンクリート塊が落下する事例が数多く報告されていた。
北九州トンネルにおける側壁崩落
福岡トンネルでの事故後、JR西日本は山陽新幹線の全てのトンネルを調査した。
いったんは安全宣言がだされたものの、同年の10月9日に同じく小倉 – 博多間の北九州トンネルで始発前点検を行った際、側壁部から約226kgものコンクリート塊が5つに分かれて落下しているのが発見された。

このため、同日は一時全線で運休。3連休初日であったこともあり、約62,000人の足に影響が出た。
対策
事態の重大さからJR西日本は同年11月8日から12月15日にかけ、深夜の列車の一部運休を伴う徹底した点検を行った。


このためこの期間中は在来線で代替輸送を実施。JR西日本側では山陽本線の広島駅 – 下関駅間に臨時快速列車を1往復、広島 – 博多間において臨時夜行快速列車を1本(下りのみ)運行したほか、JR九州では22 – 0時台の間に鹿児島本線小倉 – 博多間において臨時特急列車「にちりん91・93・90・92・94号」を運行した(日祝日は「にちりん93・94号」のみ運行)。
また、トンネル維持管理に新技術を導入。より迅速で正確な測定を行うこととした。

参照元:Wikipediaから引用

 

コンクリートは架線を切断し、ひかり351号に直撃した。けが人はいなく、幸いだった。2006年には名神高速道路久々知高架橋のコンクリートが剥がれ、下にいた男性が負傷した。もちろんこれだけではなく、ネットで「コンクリ、落下事故」と検索すれば、数多く事故があることがわかる。

 

コンクリート落下の原因はコンクリート材料の劣化

そもそもコンクリートとは、砂や砂利、水をセメントやアスファルトなどの糊状のもので結合させたもののことである。

建築資材としては広く使われている素材であり、家、道路、橋、トンネルなど用途は幅広い。比較的施工しやすい素材なのだ。

鉄筋コンクリートとはよく聞く名前だが、これはずばりコンクリートの中に鉄筋が入っている。端的に言って素材として強くなる。

 

これ以外にもいまでは様々なコンクリートがあり、現場で使われている。コンクリートはメンテナンスがいらない、と言われていた時代もあったが、いまは違う。実際様々な要因によってコンクリートは劣化することが分かっている。

ここでは詳しい説明ははぶくが、沿岸部では飛んできた塩分によって、寒冷地ではコンクリート内の水分が凍ってしまうことによって劣化が進む。

 

ほかにも二酸化炭素や水、コンクリートの置かれている気候により劣化が起きる。つまりコンクリートとは、その場にあるだけで時間はかかっても、どんどん脆くなっていくものなのだ。
これはとても恐ろしい事実である。

なぜなら私たちは普通、コンクリートがはがれて上から落ちてくるかも、などと考えて歩いてはいないからだ。コンクリートは見た目はすごくしっかりしているように見える。とても強固なものに。形ある物はいつか壊れる、と知っていても、それは今じゃないと無意識で思っているものではないだろうか。

 

だからこそ人はトンネルや高架下、高速道路などを「安心して」使っている。これは仕方のないことでもある。私たちの周りにはコンクリートがあふれているからだ。全てを避けて通ることなどとてもできはしない。

 

コンクリート落下を避けるには

コンクリートが落ちてくる、という現象は、人には突然わけもわからず起きる「現実」になる。これを避けるにはどうしたらよいのだろうか。
実際のところ、一般人には、古くなったり、あまりにも見た目が悪くなった建造物があったらそれを避ける、という手段しかないだろう。

トンネルや橋などに対して、普通の一般人がなにが出来る、というわけでもない。他力本願になってしまうが、施工する側は責任がある。その責任をしっかり果たしてもらいたい。

施工不良をなくし、メンテナンスをしっかり行ってもらいたいと思う。

 

1960年代、高度成長期に作られた建築物はすでに限界を迎えており、コンクリート建造物は2010年前後に壊れている、という指摘は1999年にはすでになされていた。

費用がなく、メンテナンスもむずかしい、という現実もあるだろう。しかし、大型建築物は一度壊れたら大変な事故になってしまう。

2012年に起きた笹子トンネル天井板落下事故は、コンクリート自体は問題は無かったとされたが、死者9名の悲しい事故となった。費用がない、難しい、と言ってる場合ではないことはもう皆が分かっていることと思う。

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これ以上悲しい事故を増やさないためにも、政府にも本腰を入れて考えてもらいたい。