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深刻な財政状況

現在多くの自治体が深刻な財政状況にある。

だが行政サービスは財政の裏付けがあって初めて実現されるものであり、健全な行政運営をしていくためには財政再建は避けて通ることのできない課題である。

財政の悪化の原因は、収支の不均衡があげられる。

したがって行政は収支と支出のバランスを見直すことから始めなければならない。

では今後、行政では財政再建に向けてどのような取り組みを行っていくべきであろうか。収入を増加させる取り組みと支出を削減する取り組みの二つに分けて具体的に論じていきたい。





 

新たな財源の確保

第一に、収入を増加させる取り組みについてのべる。

まず各自治体が自ら新たな財源を確保する必要がある。例えば、法定外普通税や法定外目的税の活用である。

これは自治体が地方税法に定められている普通税や目的税以外に、条例により貸すことができる税金のことである。

実際に豊島区ではワンルームマンションを建設する際に、集合住宅税を課しており、平成16年から9年間で 29億円の税収が得られた。

このように法定外税は地方の実情に応じて独自の財源を確保できる点で財政事情を優れている。

もっともこれは住民にとっては新たな税負担が増えることになるため、住民の理解と納得が得られるように制度導入に際しては住民に対する一層の情報公開や説明責任を果たしていく必要があるだろう。

 

行政の効率化

第二に支出を削減する取り組みについては、行政の無駄を排除し、行政のスリム化、効率化を実現していくべきだ。

そのためには、行政運営の見直しや改善に取り組むべきである。


まず事務経費の削減や各種助成金の見直しを行っていく必要があるだろう。例えば中野区ではワンストップサービスを推進している。

引っ越しの際の転出、転入届や転校手続きの一元化といったような申請などの各種手続き業務を1か所で行う。住民をたらい回しにすることなく手続きの回数を減らしコスト削減と利便性の向上を図ることができる。

 

事業仕分けによる民間委託

次に事業仕分けによる事業の見直しを徹底して行うべきだ。民間でも可能な業務は積極的に民間業者やNPOに委託していくべきである。

実際に渋谷区では、住民戸籍課の総合窓口における証明書の交付や一般派出所常務事務の委託により3000万ほどのコスト削減となった。

これにより職員の業務を主要業務に特化させ、職員一人一人の専門性を高め効率的かつ専門性の高い行政運営を実現さしていくことができる。

しかし委託後、民間に任せっきりにしてしまうとサービスの質の低下を招く恐れがある。平成17年に起きた耐震強度問題の姉歯事件はその例の一つとして挙げられるだろう。

これでは住民の信用を失ってしまう。そこで一定水準の質の維持を図るため、行政は定期的に視察を行うなどの情報管理を徹底的に行う必要性がある。また何を民間に委託していくべきか住民の意見を聞き、反映させていく必要もあるだろう。

例えば横浜市ではパブリックコメントを実施している。行政の計画や事業案を公表し住民の意見を募集する制度である今後もますます活用していくことで住民による監視体制の構築を図っていくことができると考える。

 

まとめ

このように財再再建をするには、各自治体の財源の確保、効率化が求められる。近年では地方分権の考えが進んでおり、その権限は地方に移譲するかもしれない。

そうなった場合に、自分の自治体で財源を賄うことができるか、その資金を使って地方の魅力を伝えることができるのかが問題となってくる。常に財源を中央集権に頼るのではなく、今後は地方から日本全体へ地方の強みをアピールしていかなければならない。