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7月31日までハワイでTPP交渉の閣僚会合が行われました。
2016年11月のアメリカ大統領選に向けて夏以降は動きが活発化することを踏まえると、
今回の会合で大筋の合意が出来なければ交渉がさらに長期化する恐れもあるため、
各国とも日程を延長してでも今回の会合での合意を目指していましたが、
今回の会合での大筋合意は見送られました。





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TPPについてはニュースなどで連日取り上げられていますが、
その裏でひょっとすると日本経済にとっては
TPPよりも重要かもしれない経済連携協定であるRCEPをご存知でしょうか?

TPPとは?

まずはTPPについて改めて考えてみましょう。
TPPとは環太平洋経済連携協定の略です。
一般に経済協定といえば自由貿易協定(FTA)が浮かぶかもしれませんが、経済連携協定とはFTAで自由化する物やサービスの流れだけでなく、人の移動や知的財産権保護、投資など様々な面で協力・連携することで、加盟国間の関係を強化するための取り決めです。
現在TPPの交渉を行っているのは、
日本、アメリカ、カナダ、メキシコ、オーストラリア、マレーシア、シンガポール、チリ、ニュージーランド、ペルー、ベトナム、ブルネイの12カ国です。

TPPのメリットとデメリットTPPに参加することによるメリットやデメリットについて簡単に考えてみましょう。
メリット


  1. 貿易手続きの簡素化と関税の撤廃により多くの商品が安く購入できるようになる。
  2. 関税が撤廃されることで輸出額の増加、国内雇用の安定が見込める。
  3. すでに韓国がアメリカとの間で進めている米韓FTAがあるため、相対的に日本製品が韓国製品に比べて割高になる傾向があり、TPP参加により解消することが出来る。

デメリット

  1. 関税の撤廃による輸出への影響よりも為替相場による影響の方が大きいため、関税撤廃による効果は期待できない。
  2. 食品の輸入規制が大きく引き下げられる可能性があり、従来の日本の食品安全基準を大幅に下回る食品が輸入されるようになる。
  3. 日本の立場からすればTPPの市場のうち85%はアメリカが占めており、アジア太平洋地域の成長力を取り込むことには繋がらない。

RCEPとは?

次にRCEPについて考えてみましょう。
RCEPとは東アジア地域包括的経済連携という経済連携協定です。
RCEP参加国はASEANに加盟しているのインドネシア、フィリピン、ミャンマー、対、カンボジア、ラオス、ベトナム、マレーシア、シンガポール、ブルネイの10カ国に日本、韓国、中国、オーストラリア、ニュージーランド、インドを加えた計16カ国です。

TPPと比較すると?

RCEPにはTPPと比較してどのような特徴があるのでしょうか?

  1. 日本の輸出の半数近くがRCEP参加国向けであり、輸出での影響はTPPよりも大きくなる。
  2. 関税の原則自由化を目指すTPPと比べて農業分野が交渉品目から外れる可能性があり、TPPほど交渉が難航しない。
  3. 日本のGDPに与える押し上げ効果はTPPを上回ると試算されている。
  4. 中国・韓国の東アジア諸国、ASEANの加盟国の一部はTPP交渉に参加していない。成長著しいASEAN諸国をはじめとするアジアの各国との関係強化を図ることができる。

まとめ

TPPとRCEPは決して両立しないものではなく、どちらか一方しか選べないというものではありません。
それぞれが補完しあって、アジア太平洋地域を幅広く結ぶ協定です。

現在交渉が進んでいるTPPの報道ばかりが先行し陰に隠れがちになってしまっていますが、
TPPやRCEPや日中韓FTAなどのその他の貿易協定にも目を向けて、包括的に考えていく必要があるようです。