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デフォルトかEUによる支援続行かで揺れ続けてきたギリシャが、結局は金融支援により財政破綻を回避出来る方向に進んでいるギリシャ問題。
8月19日にはギリシャに対する3年間に渡るEUからの新たな金融支援が決定しました。
その第1弾として、EUは速やかにギリシャへ130億ユーロを融資します。
これによってギリシャは8月20日に欧州中央銀行に対して32億ユーロの国債償還が可能となりますので、財政破綻を回避出来る格好となりました。





ギリシャ問題の経緯

ここ最近は日本のニュース番組で取り上げられる事が少なくなってきたギリシャ問題ですが、今年7月中旬には連日その動向に注目が集まっていました。

ギリシャが財政破綻するかどうか、もしそうなった場合の影響などが中心に報道され、ギリシャでは一時預金封鎖に近い状況となり、現金の残っているATMを探し求める国民の姿と混乱ぶりなども映し出されていました。
そもそもどうしてギリシャがこのような事態に陥ったのかという経緯ですが、ギリシャがユーロ圏に加わった時点からざっとおさらいします。
ギリシャの参加基準達成が認められユーロに加わったのは2001年の事。ユーロ参加国となったギリシャはEU各国を始めとした各国からの信用が一気に高まり、国債を多数発行して多額のユーロを調達する事に成功しました。
しかしギリシャはこのお金を国民への手厚すぎる補償や生活水準の維持のために使ってしまうなどし、財政赤字が密に膨らんでいったのです。
その間の国民の生活はそれは優雅なもので、一生懸命働かなくても十分に生活が出来る状態が続きました。特に国民の4分の1が公務員という状況は世界にもよく知られ、世界一働かない国民などと言われるなどしました。
しかし、そんな状況は長くは続かず、2009年10月の政権交代に深刻な財政赤字に陥っている事がEU諸国を始めとした世界中に知られてしまいます。
これにより一気に信用を失ったギリシャは世界中から批判を受け、EUからは金融支援を受ける事とユーロ圏に残る事の代わりに、EUの提案する財政再建策を承認し実行しなさいと言われます。
これを受けてこれまでの国民に対する手厚すぎる待遇などを改め、真っ当な財政を築き上げる事をギリシャ政権は目指そうとします。
しかし、これに猛反発したのがギリシャ国民でした。

怠け者になってしまっていたギリシャ国民の反発

これまで緩くて楽で豊かな生活を送って来たギリシャ国民から挙がった声は、当然財政再建策に猛反対するものでした。

人間誰しもそうなのかも知れませんが、一度高い生活水準を味わうとそれに慣れてしまい、節約する事や労働時間や仕事量を増やして努力する事に抵抗を持ってしまうのでしょう。
この生活を続けさせろという国民の反発は留まる所を知らず、なんと国民の意志を支持する政党が現れたばかりか、財政緊縮策に疲れた国民はその政党を新政権に選んでしまうまでに至ったのです。
この新政権こそが、現チプラス首相による政権なのです。
この新政権のEUに対する主張とほとんどの国民の考えを要約すると「財政破綻しそうだから金融支援をして欲しい。だけど生活水準を下げるつもりはありません。」というものでした。このギリシャを1人の日本国民に例えるならば、働きたくないから働かないけど美味しいご飯を食べたいし毎日好きな事して過ごしたいというニートのようなものでしょうか。


ギリシャのユーロ圏離脱による、EUが被るデメリットとリスク

ここまでの経緯を見てまず思う事は、そんなギリシャのわがままに付き合わず、財政破綻させてしまえばいいという事です。

しかしイコールギリシャのユーロ離脱となり、それはそれで大きなリスクとデメリットがあるのです。
まず一番はユーロの信用が落ちて価値が下がってしまうという事です。さらにギリシャが離脱した場合に、イギリスなども連鎖的に脱退してしまう可能性があるのです。
つまりEUとしてはユーロの価値をどんどん高めていき、強い通貨にしたいのですが、ギリシャ離脱を引き金にユーロの価値下落に歯止めが掛からなくなる事態までを想定しています。
ですので、それなら金融支援をした方が遥かにマシだと考えています。
またギリシャが経済破綻すればギリシャ国民はヨーロッパのあちこちに移民として溢れ、政治問題への発展が予想出来てしまう事など、リスクとデメリットは計り知れないものがあるのです。

ごね得の様相を呈しているギリシャ問題も、金融支援で決着?

ギリシャ離脱によるリスクは当然ギリシャ政権も十分理解しており、これを武器にEUと交渉し続けてきました。

つまりはごね続けて来たとも言えるのですが、結局は金融支援が決定したのですから、ギリシャからすれば万々歳でしょう。
あくまでEUによる財政緊縮策を受け入れてのものですが、早速ギリシャ政権与党内ではこの内容に対して亀裂が生じているともされており、ギリシャが真面目に財政黒字化の努力をし続ける可能性はあまり高いとは思えません。
まさに目の前の事だけを解決したような状態で、今後も目が離せない状況が続くでしょう。

 

財政問題

  1. 身の丈に合わない年金制度:「社会保障給付費」と「人件費」が利払い後歳出の7割を占める。年金給付水準が現役時代と大差なく他の先進諸国と比べて高いこと並びに年金受給開始年齢が早くて55歳前後であること

  2. 政権交代のたびに拡大を続けた大きな政府:王政崩壊後、政権交代があるたびに公務員としての雇用を増やしてきたこと、公共部門が労働人口の約4分の1に相当する。

  3. 脱税文化を持つギリシャ:脱税や税務署職員の汚職が蔓延しており徴税能力の低さにつながっている。例えば自営業者は一定水準の所得以下になると無税となることから領収書を発行しない、税務署職員に対する賄賂による脱税等である。

ギリシャ国民の納税意識については、様々な評論家等が言及を行っているが、2012年5月、国際通貨基金の専務理事が「ギリシャ人はみんな税金逃れをしようとしている」と発言した際には、ギリシャ国民から大きな反発を買っている。

引用元:ウィキペディア

 

ギリシャ問題まとめ

ギリシャが不景気になる

不景気から脱するためにバラまきするも効果なし

嘘をついてユーロに加入

2009年に政権交代して赤字が判明

いろいろなところから支援を受けるも限界を迎える

チプラス新内閣が誕生し、財政危機を脱する財政緊縮案を提案される

国民投票でこの案を否決

EUが130ユーロを融資

 

ギリシャは解決策を見出せないままこのままズルズルと落ちていくんでしょうか。今後も注目していきましょう。