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枚方市長選が8月30日に投開票され、大阪維新の会の新人で前大阪府議会議員の伏見隆氏が初めての当選を果たしました。
そして現職の竹内脩は僅差で敗れました。
枚方市長選の選挙戦の最中に橋下徹氏が維新の党を離党したり、分党をしないと発言しながら翌日に新党結成を明言したりと様々なことを行いました。






普通ならばこういったことを行うと選挙にマイナスに働くのですが、大阪の人達の考えは少し違うようです。
橋下氏の巧妙さは「大阪から日本を変える」というようなメッセージを発信し続けたことにあります。
これによって大阪の人達は勇気付けられ、選挙戦での劣勢を挽回したと言われています。
市長選は現職が非常に強く、新人は苦戦を強いられる傾向にあります。
さらに竹内氏には自由民主党と民主党の他に共産党も応援していました。
謂わば盤石な体制であったと言えます。
ところがその盤石な選挙であるはずの戦いを覆して勝利したところに、橋下徹氏の選挙の強さが窺えます。
枚方市長選の維新の党の公認候補の勝利は、橋下徹氏の選挙上手によるところが大きいのです。
しかし枚方市という地域性にも目を向けなければなりません。
4月に行われた大阪府議会議員選挙の枚方市選挙区では、維新の党の公認候補が2位以下に圧倒的な大差をつけて当選しました。
そして公明党も非常に強い地域で、枚方市議選では定数32に対して公明党は8議席を得ています。
その公明党が自主投票としたことも、維新の党の公認候補の勝利に繋がったと言えます。
またこの選挙は自民党の事実上の分裂選挙でもありました。
自民党枚方支部は現職の竹内氏一本にまとめることができずに、他候補を応援する市議もいたのです。
このことも伏見隆氏の勝利に繋がったと言えます。
NHKの出口調査では、維新の党の支持率が26%と最も多く次いで自民党の25%、民主党の9%、公明党の7%、共産党の4%と続きました。
無党派層は28%とやはり支持政党を持たない人が多いことが分かります。
この出口調査から見えてくることは沢山あります。
維新の党の支持層は当然に維新の新人候補に投票しました。
それに対して自民党の支持層は、現職の竹内氏だけでなく伏見隆氏にも相当数流れているのです。
このことは非常に注目するべき点であると言えます。
自民党の支持層の一定数が維新の党の新人に投票しているのです。
このことは官邸と維新の党との関係を知っている自民支持者が、維新の党の候補に入れたと推測できます。
つまり自民支持と言うよりも安倍総理を支持している自民支持者が、維新の党の候補に投票したと思われるのです。
この票が、最終的には勝敗を分けたことになったといえます。
なぜなら維新の党の新人で当選した伏見隆氏と現職の竹内氏との票差は、わずかに2千票ちょっとだからです。
自民党の支持者の8割が現職の竹内氏に投票していれば、ほぼ当選は間違いなかったのです。
このことは非常に興味深い点であると言えます。
そしてもう一つ大きな点があります。
それは無党派層の動きです。
無党派層は現職の竹内氏に多く流れ、維新の新人候補には思ったよりも流れていないと言うことです。
このことは、維新の党は必ずしも無党派層から支持されているわけではないと言うことを示しています。
今回の枚方市長選は、維新の党が比較的強い地盤であったのと自民党が分裂したことにより維新の党の新人候補が当選したと言えます。
この勝利が果たして11月の大阪市長選、大阪府知事選への弾みになるかどうかは何とも言えません。
維新の党の大阪での支持率は非常に高く、自民党の支持層の一部も維新の党の候補者に入れるような形になっています。
しかし橋下氏がターゲットにする無党派層は、必ずしも維新の党を大いに支持しているわけではないということが今回の枚方市長選から見えてきました。
このことを考えると橋下徹氏が最大の山場と考える11月のダブル選挙は、一筋縄では行かないことが予想されます。
強い維新の党に対抗するには自民党、民主党、公明党、共産党が一致団結しなければなりませんが、果たしてこの4党は団結することができるかが勝敗の大きな分かれ目になると思われます。