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日本代表は2014年9月3日のW杯アジア2次予選で、カンボジアに3-0で勝利しました。代表監督の仕事において、勝利することが最大の責務なのだから評価すべきではありますが、試合内容は不満が残るものでした。

対戦相手を考えれば、ゴールが少なかったという現実に不安を覚えます。W杯アジア2次予選の初戦だったシンガポール戦は、引いてゴール前を固める相手に対して中央からの攻撃に終始していましたが、カンボジア戦は同じように引いて守る相手に対して、無理に縦に急ぐことはなく、サイドを使っていました。





戦術的な面から見ればよくなったと思いますが、今度はサイド攻撃ばかりになり、中央を使う意識が見られなかったです。

サッカーにおいて、攻撃は実はシンプルな側面もあります。

カンボジア戦のように、ゴール前を固めている相手に対して、中央を何回も使うことで相手の意識を中央に向けさせて守備陣を真ん中に集結させ、そのうえでサイドを使えば、サイドにできたスペースをより効果的に使えますよね。

その逆も然りで、サイドに相手の守備選手を引っ張り出すことができれば、中央にスペースができるのだから、今度はゴール前のスペースを活用すればいいのです。

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サッカー日本代表 なぜ勝てない?

しかし、カンボジア戦の日本代表は右サイドから本田圭佑と酒井宏樹のコンビネーションで何度か崩してはいましたが、中央へのドリブル突破や、中央への縦パスをあまり使わなかったので、相手の守備ブロックを大きく揺さぶることができていませんでした。

本田の体は重く本来の調子ではありませんでしたけど。


サイドからのクロスでゴールを狙うのであれば、ゴール前には1トップのFWに加えてトップ下のほか、ボランチのどちらかとできればもうひとりがゴール前に連動して入るようにするべきであり、何よりも1トップには高さが武器の選手を起用すべきです。

また、カンボジア戦に臨むにあたって、監督はミドルシュートを中盤の選手に意識させると言っていたが、所属クラブでミドルシュートを打つことが少ない日本人選手にそれを求めても、すぐにシュートが決まるはずがないでしょう。

 

現在の日本代表は海外組が多く、選手個々のシュートに対する意識は高いと思われているかもしれませんが、実際は違います。海外組の多くの選手の所属クラブで求められているプレーは、味方のためにスペースを作ったり、ハードワークで守備をすること。

それはつまり、チームのためです。彼らはその部分で評価されていることが多いのであって、積極的にシュートを打つことで評価されているわけではないかもしれません。

所属クラブで求められていないことを日本代表で急に求められても、その試合での意識は変わるかもしれませんが、普段から重きを置いていないプレーの技術がすぐに向上することは難しいです。

海外組は増えていますけど、守りを固める相手を崩すことが当たり前のレアルやアーセナルのような強いクラブに所属する日本人選手はいません。

サイドを使ったり、ドリブルで仕掛けたり、後ろからシュートを狙ったり、後方から前線に飛び込むプレーなど、引いて守る相手の守備を混乱させる攻撃のアイデアを身につけている選手は少ないです。

そのため、選手が自分たちで戦況を見きわめてプレーするというより、監督に指示された通りの攻撃に終始してしまいました。そのこともまた、引いて守る格下相手にゴール数を増やせなかった理由の一つです。

もっとも不安に感じたのは、いまの日本代表に余裕を感じられないことですね。

6月のW杯2次予選のシンガポール戦で0-0に終わり、東アジアカップでは最下位でした。このためカンボジア戦では、監督が選手以上に大きなプレッシャーを背負っていたように感じました。そして、監督の「これ以上は絶対に負けられない」という気持ちは、先発メンバーにも表れています。このような状況が続けば、結果が出にくいことは明らかでしょう。