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倉狩聡の新作

作家の倉狩聡が執筆したホラー小説「かにみそ」が二年前の「ホラー小説大賞優秀賞」に輝きました。
そして、倉狩聡はホラー小説の2作目として「今日はいぬの日」を角川書店から発売しました。





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「かにみそ」と同じくホラー小説です
「今日はいぬの日」は子犬の頃は可愛がれていた犬が、成長するにあたって次第に家族から虐められるようになっていきます。
あるとき、虐められているその犬は人間の言葉を理解できるようになります。
人間の言葉を理解した犬は家族の中でいちばん幼くて弱い末っ子を言葉で脅して服従させます。
そして町中の犬をけしかけていくのです。
倉狩聡は犬が、人間の言葉を理解し自発的に行動するこの小説を書いたことについて、「動物が意思を持ったら、人間は叶わない」という考えを持って執筆したと話しています。

 

かにみそ 倉狩聡 感想

 

読後は「ふーむ。まぁこんなモノか。まぁ良かった。」程度の感想だったけれど、後からじわじわ思い出してみると「いやまて、あれ結構いい本だったぞ。」と変わった。

 

これは、ホラーじゃない。

 

男の泣ける友情物語だ!!!

 

ホラー(しかも泣ける)だと構え過ぎちゃって読んだからそっちに引っ張られたのが原因だ。「孤独な男とカニのちょっと奇妙な再生友情物語」として売り出すべきなのだ。宮部みゆきも”同性愛の匂いも漂ってきて”と評しているし。

 

【ストーリー】
拾ったカニが動く喋る→主人公が殺人→カニに死体を食わせて証拠隠滅→カニが人を食い殺すようになる→主人公罪悪感いっぱい→カニを茹でて食す

 

生きることは食べること。カニにものを食べさせることで、生きている実感と人間としての真っ当な感覚を取り戻していった主人公。ペットと飼い主の関係は、その間に両者の間に生まれた目に見えぬ肉団子によってともだち関係に生まれ変わった。

『おれは、腹が減ったら色んなもの食べるけど、ともだちは食わないよ。』

人間はなぜか怒っている。そんなイライラしている人間を見ると食べたくなるカニは、湯気立つ鍋に入れられそうになったとき、なぜ抵抗しないのかと声を荒げる主人公を食べなかった。自分が殺される状況でも自分の「ともだちは食べない」という信念を貫いた。
『さむいとさみしいはきっと同じ語源なんだよ』と言ったカニは、煮え立つ鍋に入れられても熱いなど何も言わずに最期を迎えた。熱いなどではなくきっと温かい友情に浸されていたのだろう。

 

てゆーか倉狩聡って女だったのか!

引用元:http://hawadaii210.hatenablog.com/entry/2014/01/26/001847


 

倉狩聡の処女作

ホラー小説大賞優秀賞を受賞した「かにみそ」は2010年10月に発売されました。
何事にも無気力無関心な主人公が、何でも好き嫌いなく食べる奇妙な蟹を拾います。
蟹は人の言葉もわかります。
主人公と蟹はそれから一緒に生活するようになります。
そんなとき主人公が恋人を殺めてしたまう事件が起こります。
それから不思議な蟹との生活にも変化が生じるようになります。
ホラーでありながら泣ける要素があると言われている小説です。
倉狩聡は1作目と2作目の両作品とも「人間以外の生物が人間の言葉を理解して行動する」というストーリーで書いていますが、動物に対して特別な想いでもあるのでしょうか。

 

ホラー小説大賞って?

ホラー小説大賞は正式には「日本ホラー小説大賞」という名前です。

1994年に角川書店とフジテレビが「才能のあるホラー作者とその読者へ」という趣旨で設けた大賞です。
過去の受賞作品には以下の物があります。
1994年(佳作)郵便屋、芹澤準
1995年(大賞)パラサイトイブ、瀬名秀明
1996年(短編賞佳作)ブルキナ・ファソの夜、櫻沢順
1997年(大賞)黒い家、貴志祐介
1998年(長編賞候補)バトル・ロワイアル、高見広春
1999年(大賞)ぼっけえ、きょうてえ、岩井志麻子
2000年(長編賞候補)川を覆う闇、桐生祐狩
2001年(大賞)ジュリエット、伊島りすと
2002年(短編賞候補)手首から先、道尾秀介
2003年(大賞)姉飼い、遠藤徹
2004年(短編賞)お見世出し、森山東
2005年(大賞)夜市、恒川光太郎
2006年(長編賞)紗央里ちゃんの家、矢部嵩
2007年(短編賞)鼻、曽根圭介
2008年(大賞)庵堂三兄弟の聖職、真藤順丈
2009年(大賞)化身、宮ノ川顕
2010年(大賞川をお初の繭、一路晃司
2011年(長編賞)なまづま、堀井拓馬
2012年(大賞)先導者、小杉英了
2013年(優秀賞)かにみそ、倉狩聡
2014年(大賞)死呪の島、雪富千晶紀
2015年(大賞)ぼぎわん、澤村電磁
等があります。
お化けや幽霊の怖さより、人間の怖さを描いた作品が中心になっています。
やはりこの世で一番恐ろしいのは人間ということなのでしょうね。

 

ピエール・ブールの猿の惑星

倉狩聡の作品以外で、動物が意思を持っている作品として有名なのは「猿の惑星シリーズ」ではないでしょうか。
猿の惑星はピエール・ブールが書いたSF小説で、小説をもとに映画が8本、ドラマが1本、アニメが1本作られています。
猿の惑星の映画は、初期シリーズが1968年から1973年の間に5作作られ、後期シリーズが2001年とんで2011年、2014年と公開されて来ました。
さらに2017年にも新作が公開する予定です。
初期シリーズの間の1974年にはドラマが、翌年にはアニメが放送されました。
そして猿の惑星はアメリカや日本で大人気の作品となりました。

④猿の惑星について
猿の惑星の大まかな内容は、人間が猿に動かされる世界に不時着してしまったり、猿と人間の戦争が起こっていたり、猿が人間が普通に暮らしている世界にやって来て乗っ取ろうとしたりと猿を人間と同じように頭で考えて色々な事を行っていくというものです。
初期シリーズは人間と猿がお互いに共存して生活できるハッピーエンドになりますが、後期シリーズではまた新たな問題が勃発します。
人間が動物に対して優越感を抱いていることの可笑しさを伝えているようにも感じる作品です。