少年少女による暴力といえば中高生のイメージが強いと思いますが、近年は小学生の児童による暴力事件が増加していることがわかりました。

 

8年前のおよそ3倍に

2006年から増加の一途を続けている小学生による暴力事件の件数は、今年1万2000件に届く勢いで過去最多となっていることがわかりました。





これは家や学校の中のことで納めていた昔とは違い、事件が表面化するようになってきたためではないかとも言われていますが、実際に発覚していないケースも含めるとやはり増加の傾向がみられます。

実際に暴力を受けたことがある子供は

街頭でインタビューをしてみると、予想以上の子供たち、そして保護者たちが小学生による暴力行為を受けたり、見聞きしたことがあると回答しています。

実際に暴力を受けたという小学生の女子児童は「突然、蹴られた」といい、まだ痣の残るすね部分の脚を見せてくれました。
一緒にいた保護者によると、被害女児は女の子3人グループで仲良くしていたそうですが、被害女児ともう1人とで話が盛り上がっていたことが気に食わなかった加害女児が突然蹴りかかったといいます。
保護者は娘が蹴られたことについて、「仲間外れにされたと感じたのかもしれない」と加害女児の心情を推測しているといいます。

 

暴力を振るってしまったという子供は

小学3年生の男子児童は、実際に暴力を振るってしまったといいます。

そのことについて男子児童は「いらいらして他の子を殴ってしまった」と語っています。
たまたま現場に居合わせた母親によると、この男子児童は日頃「死ね」「バカ」「消えろ」などの暴言を言われるなどのイジメを受けており、そのことを相談しに母親が小学校へと出向いたところ、息子のクラスが騒がしく覗いてみるとまさに息子がクラスメイトに暴力を振るっているところだったといいます。

イジメていた子供にやり返しただけではなく、関係のない子供にまで暴力を振るってしまっていたといい、ストレスからパニック状態に陥ったと考え、その後クリニックへと通院し、パニックにならないように抑えるケアをしていることを明かしています。

 

教師への暴力

クラス内で暴力を受けたと語る教師もいます。


 

授業が解らないから、やりたくない、つまらないから遊びたい、結果教師から注意を受けると「うぜえ!」と教師に対して暴力を始めてしまう子供が増えているといい、教師を叩いて学校から脱走しようとしたり、ずっと殴り続けるなどの行動に出る児童もいるそうです。

 

やり返すと体罰になることから一切叩き返すことはできないという教師ですが、そういった児童を放置すると学級崩壊になってしまう恐れもあり、対応がとても難しいといいます。

 

実際に小学生児童の教師への暴力は増えており、児童は教師がやり返せないことを理解した上でやっているといいます。

教師は「上手く言葉にできずにすぐに暴力行為に出てしまう子供が多い」と語っています。

 

家庭内での暴力

学校や友達にはしないのに、家庭内でのみ暴言や暴力を振るってしまう子供もいます。

シングルファーザーのある男性は、小学6年生の一人娘による暴力に日々悩まされているといい、その家の中はふすまや障子が破れたり穴があけられており、その少女の部屋はほとんどすべての障子に拳ほどの穴が開けられ、壁にも穴が空いていました。

 

父親が学校に様子を伺うと、学校内ではおとなしく、そのような暴力は出ていないそうなのです。

家庭内を観察していると、和やかに夕食をし、父親の冗談に笑う少女の様子からも親子仲が悪いようには見えません。
しかし父親が少女に部屋の片付けを少しずつでもやったほうがいいと優しく注意をすると、少女の態度が豹変します。
「うるせーなバカヤロー!」と声を荒げ、自分の部屋へと戻って行くと、少女は1時間に渡り部屋の中で物を殴ったり物を壁に投げつけるなどの暴力行為を続けました。

 

少女に話を聞くと、
「自分でもわかってるのに注意されたりすると、言葉がダメになっちゃう」といい、
「迷惑をかけて申し訳ないなって思ってるんだけど、感情をコントロールできない」のだと言います。

少女は父親のことを好きだと語り、「ただ他の家は家族で出かけたりしているのに、そういうことができないからさみしい」と、満たされない気持ちがあることを明かしました。

 

父親は少女の気持ちを知ると、「少しずつでもそういうさみしさを解消することでいい方向に向かっていけたら」と話しています。

 

暴力の背景にあるもの

暴力を振るってしまう子供たちは、うまく自分の気持ちを言葉にできない傾向にあり、言葉にできないことでさらに不満が募り、暴力衝動がコントロールができなくなってしまうのかもしれません。

様々なコミュニケーションツールが増える一方で、面と向かって言葉を交わすことを苦手とするのは、子供たちだけではなく大人にも増えている傾向です。

 

子供たちの満たされない気持ちを解消してあげるためには、まずは私たち大人も、子供たちと面と向かって言葉を交わす機会を増やし、子供たちのコミュニケーション能力を培うために努力をしていくべきではないでしょうか。