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いよいよ交付が始まったマイナンバーをめぐり、不正やトラブルが次々と発覚しています。

明らかになった収賄

来年から運用が始まるマイナンバー制度ですが、厚生労働省のシステム設計の契約のための企画コンペにおいて、都内のコンサルタント会社が業務を受注できるよう便宜を図る見返りとして、この会社から現金で100万円を受け取った収賄容疑で13日、警視庁は厚生労働省情報政策担当参事官室の室長補佐である中安一幸容疑者(45歳)を逮捕したことを発表しました。





現金を渡した側は時効成立

2011年の11月に、中安一幸容疑者は東京都千代田区のシステム開発会社が、厚生労働省のシステム設計や開発にかかわる調査業務2件を受注できるように取り計らう見返りとして、現金およそ100万円を受け取った疑いが持たれています。
現金を渡した同社の社長(当時)だった男性(72歳)の贈賄罪については、3年の公訴時効がすでに成立しています。

容疑者の当時の役職

当時、中安一幸容疑者は今の所属部署の前身にあたる社会保障担当参事官室に在籍しており、発注にかかわった2件の業務契約で業者選定に対する権限を持っていました。

また本来ならば国が準備しなければならない仕様書(注)を、受注を望んでいた同社に作らせていたことも発覚しています。

(注)仕様書とは、必要な技術規格などをまとめたもので、国が提示したものを元に契約希望会社が提案内容を競う企画競争を行います。

この2件の契約に関しては、それぞれ4社と2社が参加していましたが、いずれも現金を贈ったとされる会社が選ばれ、およそ7400万円と、およそ1億4000万円で契約が結ばれていたといいます。


容疑を認めている容疑者

中安一幸容疑者は、警視庁の取り調べに対して「自分から100万円を要求した」と、容疑を認める供述をしています。

中安一幸容疑者は、医療システムの専門家でもあり、医療情報とマイナンバーとの関連についての講演なども行なっていました。

国が提示するはずの仕様書を癒着のある会社に作らせれば内容的にも有利に働くことは目に見えています。

この契約ではのべ2億1000万円以上もの金額が動いているということです。
大金が動く代わりに100万円の要求をすれば、従ってしまう契約希望会社が出ることは想像がつくはずです。

それでも国を司る重要な機関に勤める人間として、その立場を利用して金銭を得ようなどとはしないというのが大前提ではないのでしょうか。

警視庁は今後も癒着の実態解明と余罪の有無について追求する方針です。

マイナンバーのトラブル

茨城県の取手市役所では、マイナンバーが誤って記載された住民票を発行していました。

市役所の中に設置されている自動交付機で発行された住民票が対象となり、住民票の数は69人分にもなるといいます。

取手市役所によれば、自動交付機で住民票を発行する際に、「マイナンバーを記載しない」という設定の確認を怠ったために起きたミスだということです。

今月の5日から9日までに取手市役所の本庁舎など市内2箇所にある自動交付機が対象で、69人のうち23人は公共機関などにすでに住民票を提出してしまったということです。

取手市では、本来ならば住民から特別に請求があった場合のみ、窓口でマイナンバーを記載した住民票を発行するというシステムになっていましたが、自動交付機の設定を間違って行なっていたためにミスが起きてしまいました。

マイナンバーをめぐるミスは今回、全国で初めてのことですが、普及が増すにしたがってこれ以外の事態も発生する恐れがあります。

まだまだ安定していないマイナンバーの取り扱いに、市民だけではなく行政も対応できていない実態が浮き彫りとなりました。